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金曜日, 11月 02, 2007

おふくです。

 横浜市の小学校の修学旅行は日光だ。しかし、私は伊勢に行った。当時、兵庫県に住んでいたからだ。夫婦岩のそばの旅館に泊まった。赤福売りが来たというので、見に行くと、みんなが口々に訊いていた。「赤福ですか?」と。
売り子の女性は蚊の鳴くような声で答えていた。「おふくです。」と、かすかに聞こえた。
 私は売り子が帰った事に気付かなかった。買った級友達がしばらくして騒ぎ出した。「騙された。返品したい。」と、先生に訴えるが、先生は「無理だと思うよ。」とか「御福餅だよ。知らないの?」なんて言っていた。それでも何人か旅館の外に飛び出して行ったが、何も起きなかった。
 私はと言うと、翌日の伊勢参りの後、旅の最後に、確認して赤福を買ったのだった。お餅は重いので、持ち歩きたくなかったのだ。今にして思えば、両方買って、食べ比べすれば良かったかも知れない。しかし、小学生のお小遣いでは両方は買えないのだった。赤福事件のせいで御福が売れているという報道があったが、やっぱりだったわけだ。姑息だもんね。
 その旅館もいまいちで、男子は宴会場に集められ、二人で一組の寝具を使わされた。絶対に枕投げをしてはいけないと言われ、先生が取り囲んで監視していた。トイレに行くにも監視付きで、最悪の気分だった。女子はと言うと、普通の寝室で、監視が手薄だったので、枕投げをしたのだそうだ。
 その後、三重県に行く機会があったが、伊勢には行っていない。子供に伊勢参りさせる時は、名古屋辺りに泊まって日帰りするだろう。当時、あの界隈で、一日に一体何人の伊勢嫌いを作ったのだろうか?しかし、御福もその旅館も今のところ健在だ。次は中学校の修学旅行について書いてみたい。

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